*森ノ中ノ燈台小屋カラ*

Singer Songwriter 矢武久実の日記

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遠くから凛と響く―活版印刷―

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【1445年 ドイツのグーテンベルクが活版印刷を発明】


中学の教科書に記された、たった1行の文言に心が躍ったのは何故だろう。

小学生の後半、中世の町並を写した写真により始まったドイツ偏愛は、
中学生の頃が一番のピークだったかもしれない。


たとえば、人の群れの中を歩いていて、
何十人と行き交う中、
知っている顔がもし向こうからやってきたら、
幾つもの顔の中から不思議と浮き彫りにされたその人を見つけられるように、

新聞を広げて文字の海の中に【ドイツ】という3文字があれば、
そこだけ大文字でカラー印刷されているんじゃないか、というほど顕著にすぐさま見つけられる、
という、何の役にも立ちそうに無い能力を身に付けていた。


授業中、枯渇した心持ちで教科書を開いた時に、
その3文字があるだけで、ドイツの街並みを思い出しては空想に耽る。
文章の内容がどんなものであれ、【ドイツ】という文字が現れればラインを引いて飾った。
たった3つの活字の組み合わせを神聖化でもしているような行為だった。



【1445年 ドイツのグーテンベルクが活版印刷を発明】


心が躍ったのは、とはいえドイツ由縁だけでは片付けられない。

いつ始まったのかは判らないが、
この頃にはフォント(書体)への興味があり、
祖父母の家の古い本棚から写植やレタリングの本を譲り受け、活用していた。

印刷、という世界に何か共感があったのかもしれない。
そして、教科書に掲載された印刷機の画(グーテンベルクの印刷機)と共に。


古い機械への憧憬は、自動演奏楽器(オルゴール)へと通じる。
寧ろオルゴールが起点かというのが現時点での答え。


興味が重なり、
幾つになってもこうして再び導いてくれる事は、生きる上での褒美だったり薬だったりする。



活版印刷で出逢う文字は、とても凛として心の核に響いた。












先週末、『トオイオト』というグループ展を観に、西荻窪のFALLという素敵なお店へ。



12月にあった文学フリマで、
友人が出店するブースに辿り着く前に、
私も同行の友人も活版印刷されたポストカードや豆本が置かれたブースに反応して、足が止まった。
出店されていたお店の一つが、【九ポ堂】さん。
国分寺で活版印刷をされている。


九ポとは、九ポイント(印刷文字の単位)から来ているそうで、
冒頭の写真にあるのは、作家のほしおさなえさんによる140字小説を九ポイントで活版印刷されたもの。


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こちらは九ポ堂さんの作品を紹介するフライヤー。

どこか懐かしいメルヘン。
お訊きすれば、好きな作家に絵本作家のたむらしげるさんや稲垣足穂というワード。
なるほど、私が引っ張られる訳だ。
長野まゆみさんの初期の世界にも通じる。




周りのお店を見渡せば、
以前私がクルミの美味しさを教えてもらった、クルミド珈琲さんも出店されているではないか。
クルミドさんが出版された刊行物の印刷は九ポ堂さんが手掛けられているそう。

(更に製本は何と伊那にある美篶堂さん。
そして松本のカフェにも置かれているそう。貝割れ大根が立っている!発言を思わずしてしまった素敵カフェ。)

●2013年12月20日『3年目の長野の話』




何度と無くここでも書いているけれど、
好きなものや関わりのあるもののリンクが一気に繋がったとき、
世界の狭さなのか、運命的な縁なのか、
自分が選び取っているとはいえ、
不思議な喜びを感じずにはいられない。






話は戻り、その文学フリマでご挨拶した折に、今回の西荻でのグループ展を紹介して頂いた。
手回し紙オルゴールの作家さんも参加されていたので(お逢い出来なくて残念)
足は重たかったものの、行かない訳にはいかなかった個展。
結果、行きと帰りで随分な心持ちの変化。
出逢いに救われている。


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右:140字小説のほしおさんと、九ポ堂さんのコラボカード(名刺の大きさ)
左:友人の京都土産のカード。正にほしおさんの物語の挿絵になりそうなイラスト(大きさも同じ)





最終日の閉店間際というタイミングだったので、
作家さんたちとお話する事が出来たのも、
とても良い時間になった。



西荻窪は個性的で芯のあるお店や人が、ひっそり息づいていて、
魅力的な町のひとつ。
最近縁があって、毎月のように来ているけれど、
ゆっくり珈琲を飲んだり、という時間はなくて勿体無い。
その間にも素敵なお店は増えていくんじゃないだろうか。


贅沢な悩みは未来へ預けつつ。














欲しかった言葉は
かたちを選ぶものだった


電氣の文字では聴こえない
色や薫りや空気が
必要なんだと
そうしてようやく届くほど
心は鈍く言葉を軽んじていたのだと
気付いた

花や樹木や自然のものたちと共鳴するときのように
癒されていくのが分かる


トオイオト


心は簡単には治らないけれど
大きな救いと気付き

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外では梅が咲いている












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【映画】Robin Williams

     IMG_20140812_180645.jpg


『グッドモーニング、ベトナム』 (1987)
『いまを生きる』 (1989)
『キャデラック・マン』 (1990)
『フック』 (1991)
『トイズ』 (1992)
『ミセス・ダウト』 (1993)
『ジュマンジ』 (1995)
『ジャック』 (1996)
『フラバー』 (1997)
『グッドウィル・ハンティング/旅立ち』 (1997)
『パッチアダムス トゥルー・ストーリー』 (1998)
『奇跡の輝き』 (1998)
『聖なる嘘つき / その名はジェイコブ』 (1999)
『アンドリュー NDR114』 (1999)
『A.I.』 (2001)
『ストーカー』 (2002)
『インソムニア』 (2002)
『RV』 (2006)
『ナイトミュージアム』 (2007)
『奇跡のシンフォニー』 (2007)






高校生の頃、ロビン・ウィリアムズ氏を通して、
映画の食わず嫌いを克服させて貰って、色んなジャンルを観るようになった。
ロビンの出演作は結構観たと思っていたけど
(レナードの朝は、きっと大好きだろうと思って、未だに手を出さずに取っておいてしまっている)
こうして並べてみると、少ない。


コメディアン出身であるけれど、彼のシリアスな演技や、
眉毛を下げ顔をくしゃっとして笑う顔がとても好きだった。
そして、関わった作品の幅の広さ、質の高さは、
私を映画の世界から遠ざけず、寧ろ招いてくれた大きな影響と言って間違いではない。

当時の私は友人と遊ぶ事よりも、
映画の世界から人生を学ぶ事に夢中だった。

本当に色々な事を教えて貰った。
映画の話はこの場所ですると書ききれないから、と書かずにいたけれど、
意識的にこれだけの作品に手を出させた俳優というのは彼だけなので、
ロビンの事は筆頭に書いていても良かったなと
今更になって思ったりもしている。




鬱病と報道されているけれど、
この数年、アルコール依存と闘っていたのも有名だった。
最終的な病名や死因が何であれ、
心の病気には違いない。

あんなに人を楽しませ、自分が楽しむ事に長けている人は中々いないと思っていた。
勿論、世界的な俳優としての彼しか知らず、
個人的な彼の顔は全く知らない。

それでもやっぱり、自殺という最後は、
映画を通して彼から教えて貰ったことをひっくり返されるくらいの、
辛辣な現実がある。

生きる事の素晴らしさをあんなにも教えてくれたじゃないか。
誰にも解り得ない、大きな苦悩と闘っていたのだとしても、
他の誰でもない、ロビンがそれに負けて欲しくなかった。



煙草もアルコールも、それ自体が悪いのではなく、
脆くなった心や体が欲した結果、人を蝕んでいくのだとは解っている。

それでも、
そうして別れを見送るのは、もう沢山。
煙草もアルコールも私は好きじゃない。
嗜みとして美学を求める世界は確かに共感出来る。

バーテンダーを目指す友人に色々連れられて、
本当に美しいバーや職人気質なバーテンダーの世界を教えて貰ったから、
味わい楽しむ世界は珈琲や紅茶や、言うなら音楽や芸術と何も変わらないと思っている。


同時にアルコールによって、人が変わっていく様は、
子どもの頃から不思議な違和感があったし、
そこに美しさがなかったから余計に私は酒の席が好きになれない。

逆に、諸々を嗜みながら、
言葉と料理とお酒を交わす席は、豊かさを与えてくれるもので、
特に自分の性質には合っているからそういう時間は好きだと知っている。
でもお酒はなくても全く構わない。

これに限らないけれど、全ては、行き過ぎずに自制出来るかどうか、というだけの話なのだと思う。


それが難しいからこうして命が削られていくのだろうけれど。
それが本当に難しい事なのかは、
経験の無い私には解らない。
こうして偉そうな事を言える立場ではないのかもしれない。

でも、
自分の事を先ず大切に出来なければ、
何も守れない。
愛せない。

もう沢山なのだ。



昨日のライブの事とか、今日の友人との楽しい時間とか
書きたい事はあるけれど、今日はこれだけ。



Thank you so much, Robin.
Rest in peace.

与えられたものは、生き続ける






【8/20 追記】

ロビンの奥様の声明により、
彼が禁酒をしていた事、
初期のパーキンソン病であった事が報道されました。

パーキンソン病は鬱病を併発させる事が多く、
自殺に発展してしまう例も多いそう。

http://www.cnn.co.jp/showbiz/35052389.html


生と死、
自殺というテーマは、中学生の頃から深く考えている。
あの頃ははっきりNoと言える人格だった。

けれど、
彼が苦しみ悩み選んでこの結論を出したのなら、
増して部外者の自分に何も言える事はないのかもしれない。


改めて、ご冥福を。

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英国絵画の旅

何度か更新しに来ようと思うものの、この季節は閉口気味。


ブログ史上、ついに『1ヶ月以上更新なしで企業広告がついてしまう』
をやらかしました。
その間、訪問して下さった方、ご心配をおかけしました。
え、そんなに更新してなかった?
とぼんやりされている方、その大らかさ、素敵です。


折角書いたものの公開しなかった記事があるので、今日はそれを加筆しつつ載せる事にします。

子どもの頃から書きたい欲は人一倍あるらしいのですが(本を読まないのに作文好きの小学生←内容はともかく速く長く書ける)、
それを発信する必要とは比例しないもの。
この場はそれに目を瞑ってもやる必要を感じているので、
後悔しない記事を書いているつもりで、それは大方成功していると思っているのですが、
端的に言ってしまえば、発信する欲がどんどん減っていて危惧。


元来の自分はそういう人間で、
音楽を始めた時も『歌で語っているのだから、何も喋らなくて良い』と格好つけたい自分がいました(今でも居ます(笑))
唯、それを実践して受け入れられるのは既に知られた名高いアーティストだけかも、と実践して気付き、
はてさて自分は解り易い音楽を書いているとも思えない上に、一期一会のライブでは殊に自分を伝える事が必要なのだと思うようになり、どんどん想像とは違うものに成っていき(苦笑)今に至ります。

そもそもここ数ヶ月、ネットでの人との交流自体が自分の感覚に嵌まらずにいたので、その影響もあるかと思います。
何よりこの季節は毎年呟いていますが、そんな季節なのでご容赦を。



という訳で、雪が沢山降った頃のお話です(笑)

東京に来てから初の豪雪。
雪が降ると仙台にいた頃を思い出します。

雪の夜は、一面の雪を反射して空も明るく、
音は雪に吸収されて奇妙な程に静か。
文明が呆気なく自然に支配されて、人間は黙視せざるを得ない情景。

雪国に住む人は、それを享受する文化と知恵が根付いているんだな、と
機能停止してしまった関東の様々なニュースを見て改めて感じていました。

……こんな時ばかり仙台人になる自分。
という訳で羽生君おめでとう!



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さて。

先週金曜は、江古田マーキーでのライブでした。

老舗と窺いつつも、木材を基調とした洒落たバーカウンターがあったり、と綺麗な場所でした。
共演者の方も普段とはカラーの違う美人さんが揃い、新鮮でありました。

そして告知でも呟いていた『過去出演者のそうそうたる面々』の中で、
私のミーハー心を奪ったのは(本当に沢山いるのですがその最高位は)『森山直太朗』氏です(笑)
皆までは云うまい。


『春告げLIVE』
と称し、この春の4連ライブ(2/28, 3/9, 3/22, 4/4)を進めていこうと思っています。
第一弾は、始まり、をテーマに春告げ鳥のお目覚めを。


※2/28セットリスト

1,微睡(マドロミ)
2,はじまりの唄
3,water waltz
4,オルガニート・詩『春告げ鳥』
5,Yu sontie~輪廻~
6,夜明け


この日、初めて聴いて下さった方が、一番古い曲と一番新しい曲を気に入って下さり、
内心とても面白く感じていました。
そもそも、受け取って下さった方の感想は本当に千差万別で面白いなと思います。
私が描くものとは違うものを描かれていたりするのも音楽だからこそ、
そして自分の曲が自分のものではないことも実感します。



さて、早くも今週の日曜日が第二弾。

初の中華ランチライブ。
こちら、私の手持ちのチケットは有難くも完売したのですが、
まだ若干席の余裕があるそうなので、
ご予約受け付けております。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆3/9(Sun)@チャイナスクエア(井荻)
『TAROCY MUSIC vol.2』
img120.jpg
↑クリックで拡大表示


12:00 / 13:00 Open / Start
【出演】青木さおり / 丸木美花 / 矢武久実 / きしのりこ (各35min 出演順)
【前売】¥2,000 + 1 Drink 
【当日】¥2,500 + 1 Drink

チャイナスクエア
〒167-0022 杉並区下井草 5丁目18-7(西武新宿線 井荻駅から徒歩1分)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

各アーティスト間に10分の休憩があるそうなので、
料理を楽しみつつ、音楽も楽しんで頂けたらと思います。






閑話休題。

一寸前の話(12月)になりますが、英国風景画の功労者ターナーの展覧会に行ってきました。

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ターナーといえば帆船、

と思っていたのは私の思い違い(人違い)だったかもしれない、
という気付きと共に、堪能してきました。

そしてやはり、というべきか、
来場者に素敵英国紳士“風”な殿方が多く、保養になりました(どんな)

ターナー(Wikipedia参考)
1775年生まれ、という事で、
風景画家として日本で大人気のモネなど印象派より一時代前の人である、
という事を念頭に。

過去の人というのは時系列が自分の中で混線してしまい、
乱暴に一緒くたにしてしまいがちで、
歴史を学ぶ重要性をこんな時に痛感したりします。

音楽家でもそれは言えますが。



ターナーについてそれほど詳しい知識がある訳でもなかったのですが、
イギリス・テート美術館に行かずして、これだけの規模のターナー展は中々ないとの事、
悲しきかな、まだイギリス滞在への夢は実現しそうにないので(苦笑)上野で我慢です。


いつも、美術本でしか知らなかった絵の実物を見た時に驚くのが、先ず大きさ。
意外に小さかったり、大きかったり。

そんな驚きの今回は最たるものだったかもしれない、という位、ターナーの絵は思ったよりも大きく圧倒されました。

そして一枚一枚の絵の吸引力が強く、
静かに強かな世界にとても惹かれるものがあり、
僭越ながらの共感。

闇は何処までも深く、
故に光は何処までも眩しく、
初めて絵画を観て、眩しさに目が眩むという経験。

題材が人間であっても、描かれるのは圧倒的な広い自然。
ターナーは人間が好きじゃなかったのかもしれない。
若しくはそれ以上に自然が好きだったか。
秘密主義を貫き、人付き合いも少なく、
絵から語られる圧倒。

そんな芸術家が好きなんだなと、改めて確認した1日でした。



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展覧会のカタログは買わ(え)ない主義、
なので今回は美術手帖。

この写真では窺えないかもしれませんが、
何と、空想建築画家、野又穣さんがターナーを観にイギリスを巡る、という巻頭コラム!




昨年の野又さん展覧会。
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別の場所にいたと思っていた、自分の好きな2人が繋がる瞬間とは本当に嬉しいものです。
(よくよく考えれば近い場所にいたのかもしれない)

詰まるところ、自分の惹かれたものには通じるものがあるという事で、
その環の中に自分もいる事が嬉しいのです。





そして、何故12月の出来事を書いたかといえば。

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雪騒動が落ち着いた直後を狙って行ってきました。

この半年で3度目の六本木ヒルズ。

写真にあるジョン・エバレット・ミレイのオフィーリアは、
日本人に人気なんじゃないかと思っていて、
その人混みを覚悟してでもこの絵は本物を観たかったので行ってきた訳ですが。

雪、有難う!(暴言)

程よい来客数で(少ないとは言わないけれど)存分に観られました。
ターナーとは逆で、この絵は思ったより小さかったです。

高校生の頃までは印象派(モネ・ルノワール)が好きだったのですが、
反動に近年は食傷気味で、人物画よりやはり自然描写に興味。
更に言うならば、額縁に興味。

ラファエル前派はつまり反逆児の集まり(と言ったら怒られそうですが)と認識しましたが、
額縁も個性的で非常に面白かったです。特にミレイ。

時代的にはターナーの次世代が彼等ラファエル前派。
そして今、三菱でやっている唯美主義展と、東京は現在英国美術ずいていますね。
ついでに以前やった、アーツ&クラフツ展をもう一回やってくれないだろうか。
良いライブ、良い展覧会ほど、二度と観られなくて残念と思うものはないなぁ。


ラファエル前派は、草花の美しさに惹かれました。
ミレイは特に深緑や群青など、使う色がまた素敵。

身近にいる人物をモデルに、衣装や背景は中世に、という
リアルファンタジーに通じる、創作への意欲も面白い所。

私も数年前はそんな事に固執していたのに(箱庭音楽劇場を銘打っていた頃)、
という事を痛感してしまいました。
原点に帰りたいと思っており、そんな曲を書いています(苦笑)





今年は恒例の梅見もタイミングが合わず、
天候も大荒れなのでどんな雰囲気になっているか判りませんが、
実現出来たら次回は華々しい写真でこの場を飾りたいと思います。


とはいうものの、男女共のサッカー代表試合で相当に浮かれていたヤタケでした(嬉々)

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やなせたかしと「詩とメルヘン」

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「詩とメルヘン」という雑誌があった。
1973年~2003年まで月刊で発行されていた。

高校1年の丁度今頃、偶然本屋で出逢い、
美しい表紙と大胆なタイトル(高校生の時分にはそう感じた)に目を奪われて、
何か、不思議な生きものを発見してしまった気分だった。

と同時に、扉を開けてみれば描かれた物語性のあるイラスト達と、研がれた言葉の饗宴に、
秘密の隠れ家を見つけたような気分になった。

何となく、知りうる限りの友人や大人達とは共有出来ない気がして、
こっそり一人でこの独特の創作世界に足を踏み入れた。

恐らく、今、初めて口外している。


掲載されている詩はほとんどが一般公募されたもの。
その詩に今では名だたるイラストレーター達が絵を付けた。

投稿されるそのすべてを、あのアンパンマンのやなせたかしさんが選別し、この雑誌の質を保っていた。
叙情性のある表紙も毎月やなせさんが描かれていた。
何も知らなかった頃は、
投稿された作品への厳しいコメントに、アンパンマンの作者とのギャップを感じてもいたけれど、
そんな表現への厳しい姿勢があった人だからこそ、
長い闘病を傍らにしても、生きている内はずっと表現していたのだと解る。

そして、彼の創作上の美学からくる厳しいコメントは、
少なからず私の拙詩の創作に影響している。(歌詞ではなく詩)

掲載されるものの中には、自分とははまらないものや、好みでないものもあった。
それでも時間が経って、思い出した頃に開いてみると、
響く言葉がある事に気付く。
そして自分の変化に気付く。

共通していたことは、
そこには、繊細な感覚で世界を見、日常を生きている人達が現実にいるという事実。

世界の狭い高校生にもそうして教えてくれたこの雑誌から与えられたものは大きい。


この雑誌で、沢山の詩人とイラストレーターに出逢え、
彼等の個展や作品館に出掛け、そこから更に枝分かれしていった出逢いは、
本当にかけがえのない宝物。

そのすべてが、やなせさんから与えられたと思っている。

「詩とメルヘン」が休刊後、
2007年に「詩とファンタジー」と銘打った季刊誌で復刊。
やなせさんの時代を切る言葉遣いや温かい心は健在だった。

相変わらず、病室からイベントホールへ直行して、更には歌を歌われたりしていたようで、
この方の生命力は一体何なのだろう、
と静観する暇があったら創造しなさい、と怒られそうな位、自分の姿勢を省みる存在になっていた。

しかし、これらの雑誌とは2008年を最後に私は遠退いた。
「詩とメルヘン」が休刊した時は落ち込んだりもしていたのに、
本屋で見かけても、後ろ髪を引かれても、手は伸びなかった。

それから今に至るまで、
本屋で「詩とファンタジー」を見かけては、やなせさんはまだ元気だ、
と生存確認をするだけの媒体になった。

多分、
与えられたこれまでの雑誌達を未だに吸収しきれていない満腹感があるから、
私は離れたのだと思う。
そしてそれを越えた時また帰ってこようなどと、安易な未来を予想していたりもした。



今日(昨日)の午後、出先の電車内で訃報を知った。
訃報の文字を見て、一瞬驚き、でもそうだよな、と飲み込む。
別れはいつも味気ない。遠い人なら尚更。

そう思った矢先、
丁度聴いていた、生まれたばかりのまだ支離滅裂な自分の歌の歌詞に、
泣きそうになってしまった。

初めて雑誌を手に取ったあの時を思い出す。

遠い人なんかじゃなかった。
私が忘れていただけだった。




やなせさん 有難う。





私は歌で返す。


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【映画】 『Life Of Pi 』の感想へ辿りつくまでの道程

       IMG_20130919_221115neu.jpg
   
晩餐作りと同時だった為、急いで作った月見団子
故の
歪(いびつ)

という事に。
(これでも毎年作っています)


今年はずんだ。初、市販のずんだ餡というものを買ってみました(何故か横浜産)
……甘かった。これはずんだではありません。


白いままの味なし団子は、母方の風習で馴染みがあり、
コドモの頃は、味がない……と思いながら食べていましたが、
今ではそれが癖になって時々食べたくなるという。


その所為か、市販のみたらし団子は甘すぎ・しょっぱすぎで苦手です(暴言)
餡子の方は、先ず餡子だけ食べて、やっぱり白い団子にして食べる(笑)
最近は一緒に食べますよ(誰への主張なのか)



……と話がそれました。
結局、月より団子。




3年連続の満月の仲秋でしたが、
次に満月と仲秋が重なるのは、2021年らしいですね。
そもそも、満月と重なる事の方が珍しいという事を知りませんでした。

旧暦に従っているのだから、よくよく考えれば当然の事……。



私は元来、変なところで捻くれておりまして、
こういうまつりごとを大事にするようになったのは、比較的近年の話。

何が捻くれているかというと。

冒頭にも書いたように、
「次に満月と仲秋が重なるのは8年後」
です。

それを思って、色々な思いや願いを持って、しっかり拝まれた方は多いと思います。

「みんな、この月を見ているんだろうな……」

素敵な事です。
培った私のオトナはそう思います。
夢見るコドモ時代の自分もそう思います。



と同時に

「だから見なくてもいいか」

と元来の捻くれ者が思います。
瞬間に天秤にかけて勝つ者です、つまり私です。


ちょっと、春に書いた桜の話にも通じるのかもしれません。
考えてみると、私はいつも多勢が目を向けるものには興味が失せ、
(皆がもう見てくれているんだから自分はいいかな、と)
陽の目にさらされていない(と自分が勝手に思った)ものに好奇心が向いていました。
マイナーという言葉が好きでした。

小・中学生の頃はあえて、そんなものを選んできたかもしれない。
そんな目を育てていたかもしれない。
オトナになるにつれて、それは視野を狭めている、小さな物差しだなと思うようになりましたが。
だから見える世界もあるのだと今でも思います。


長い前口上。


いつ、映画の話をするんだ、というツッコミが聴こえてきそうな(笑)

つまり、月見は早々に、団子もちょっと食べれば満腹に。
(という一文でも済む内容を上で述べておりました。表現って面白い。)


珍しい映画の話です。

先程、この1週間で2回目の『Life Of Pi -トラと漂流した227日-』を観ました。
(台風に備えて、数年ぶりにレンタルビデオ屋という名の誘惑の悪魔の巣窟へ)

最近、振り返りつつ、
私は今迄、この場所であまり映画の話をしていない事に気付きました。
理由は幾つか。

一つ、
感想などを書くと、ただでさえ長い文章が恐ろしい事になる。

一つ、
取り上げたい作品が多すぎて、最早映画ブログ化しないといけないような危惧を感じる。

等々、もっと色々あるのですが、つまり避けてきました。
それ位、映画が好きです。

本よりも映画から色々を教わった、と断言出来る位の摂取量の差。
ジャンルは偏っているとは思いますが、許容範囲は広いと思います。
(というか、知らずに冒険して広げられた。そんなものですね。)
それでもまだ大海の一部しか出会えていないとは思います。


音楽活動を始めてからは、観られる量が減ってしまいましたが、
久し振りに触れると、もう至福のひと時です。

例えばそれが、人の少ないレイトショーならなお、
上映開始のブザーが鳴り、
冒頭の【DOLBY Sound】なんかの音を聴くだけで既に、「やっぱり映画は良いな!」と思えるレベルです。
(Dolbyさん、実はご存命とは知りませんでした。ご冥福をお祈りいたします。)


とはいえ、映画にはまり出した高校生から学生身分、
特に日本は映画のチケットが高い。(とドイツに行って知った)
専ら、レンタルビデオ屋という名の悪魔の巣窟にお世話になっていました。

それから、最近はBS。
古典の有名作品から、現代のちょっとマイナーな映画まで、
自分でわざわざ手を出そうとまで思えず見逃してきたものに触れられる良い機会を貰っています。

とはいえ、観たいという気が起きなければスルーしてしまうので、何でも縁ですね。




いつ『Life Of Pi』の話をするんだ、というツッコミが聴こえてきました、すみません。

勘のよい方は、察してくださると思います。
こうやって書いている時点で、それだけ『Life Of Pi(以下:パイ)』が良かったんだな、と。

私の熱は伝わったでしょうか。
それでは、今日はこの辺にしようかと思います。


    ↓某レコーディング中の現場。ちょっと見辛いですが、猫とレコーディングしております。
    モニターチェック中の猫様。
    歌入れをしながら、マイクの前を通過されるという(後、マイク下でお眠りに)、刺激的な現場であります。

      IMG_20130917_181902.jpg


……という訳にはいかないか。

簡潔に申しますと、
何故、劇場で観る事に悩み、結果観ない事を選んだのか!
と自分を悔やみたくなる位の映像美と音の美しさでした。

監督のアン・リーさんの作品は、前作『ブロークバック・マウンテン』でノックアウトされ、
自分史上稀に見る、劇場に2度足を運ぶ事になった作品でした(1度目に隣に座っていたおば様のマナーの悪さが大きな要因ではある)。
この作品は同性愛を扱っているので、友人に薦める時には注釈を必要としましたが。

カナダの美しい山々や、作品の世界・時代にあったカントリーミュージック、
人の心理描写の繊細さ、
アメリカ映画とは思えない(偏見です(笑))細やかさでしたが、アジア人の監督と判り妙に納得してしまったり。

この映画のお陰で、私はRufus Wainwrightというミュージシャンに出会え、
確実に一時期の自分を支えてくれた作品です。

そして、5年振りの新作がこの『パイ』でした。
予告だけでは話のストーリーにもさほど惹かれるものはなく、
ただ、映像美だけが賛美されているのだとしたら、劇場まで行く事はないかなと思っていました。

その後、アカデミー賞の最多ノミネートを知り、少し揺れるもタイミングを逃し。
(それ以上にその頃は、自分の中でレミゼ祭り中(笑))

アン監督初の3D作品という事でしたが、
いや、本当に美しかった。
CG制作にとてつもない時間をかけたそうですが、ここまで技術は進んでいるのかと思い知らされました。

映画のメインは、海の上のボートでのシーン。
これで、時間がもつのか、というのが専らの危惧。

某タイタニックが沈没してからのあの心理的時間の長さ。
漂流ものは、精神的にも体力がないと、こちらが沈没してしまうので覚悟していました。

結果、週に2回も漂流の長旅に出てしまった訳ですが。


長い特典映像のスタッフ裏話にて、
アン監督の細部までリアルに拘る姿勢・思想はとても共感し尊敬出来るものでした。
それ以前に私はこの人が好きだと気付く。

監督にも色々な人がいると思いますが、
こんな人の下でなら、どんな仕事も尽力したい、と思わせる人柄が見え、
それ故の、膨大な仕事量に支えられた作品だと思います。


日本では上映後の反応はどうだったんでしょう。
宣伝していたけど、静かに消えていった作品、
になってしまうんじゃないか、と思ってこんなに長々と書いてみました(全く簡潔じゃないですね)。
それとも、私が知らないだけか。だったら良いと思います。


結末が重要なので、肝心の中身には触れませんでしたが、
俳優陣も素晴らしく(インドはやはり美人が多い!)
ファンタジーとドキュメントの狭間を観たような、
ジャンルにはまらない作品だと感じました。

海の描写は特に必見です。
嵐の中の波の迫力は、葛飾北斎も脱帽かと。(何故北斎と並べる)

逆に劇場で3Dで観ていたら、船酔いしていたかも……

そんなアトラクション要素も含め、
前半のパイの子ども時代の話も、コミカルで台詞も無駄が無く、楽しく観られました。

これだけ書いておきながら、
同時にレンタルした『ホルテンさんのはじめての冒険』というノルウェー映画も面白かったです。
『キッチンストーリー』の監督作品で、気軽に観られる北欧のシュールで静かに暖かいコメディでした。



さて、ここまで読みついできて下さっている方がどれだけいるのか。
(もしかして、ブログ史上最長文では)

忙中閑有。
今日はお休みなので、ここぞと夜更かし。
寝て下さい!と先日叱られてしまいました(苦笑)

そんな今日はマイナーではなく、世界的大メジャーのファンタジー映画の展覧会に行ってきます!


お付き合いVielen Dank! お疲れ様でした*

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yatakekumi

Author:yatakekumi
*矢武久実<Kumi YATAKE>

物語を紡ぐシンガーソングライター

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◆07/06(Thu)@GRAPES KITASANDO(代々木・北参道)

◆08/25(Fri)@HIYOSHI Nap(日吉)


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★2016年11月30日 1st full album『das älteste librarium ―最古の図書館―』発売!

★箱庭音楽劇場謹製 箱庭豆本『青いばらの手紙』を販売中!

★2015年2月よりiTunes,amazonにて楽曲配信がスタート!
CD通販、ダウンロードはHPから可能です。

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