*森ノ中ノ燈台小屋カラ*

Singer Songwriter 矢武久実の日記

【映画】 『Life Of Pi 』の感想へ辿りつくまでの道程

       IMG_20130919_221115neu.jpg
   
晩餐作りと同時だった為、急いで作った月見団子
故の
歪(いびつ)

という事に。
(これでも毎年作っています)


今年はずんだ。初、市販のずんだ餡というものを買ってみました(何故か横浜産)
……甘かった。これはずんだではありません。


白いままの味なし団子は、母方の風習で馴染みがあり、
コドモの頃は、味がない……と思いながら食べていましたが、
今ではそれが癖になって時々食べたくなるという。


その所為か、市販のみたらし団子は甘すぎ・しょっぱすぎで苦手です(暴言)
餡子の方は、先ず餡子だけ食べて、やっぱり白い団子にして食べる(笑)
最近は一緒に食べますよ(誰への主張なのか)



……と話がそれました。
結局、月より団子。




3年連続の満月の仲秋でしたが、
次に満月と仲秋が重なるのは、2021年らしいですね。
そもそも、満月と重なる事の方が珍しいという事を知りませんでした。

旧暦に従っているのだから、よくよく考えれば当然の事……。



私は元来、変なところで捻くれておりまして、
こういうまつりごとを大事にするようになったのは、比較的近年の話。

何が捻くれているかというと。

冒頭にも書いたように、
「次に満月と仲秋が重なるのは8年後」
です。

それを思って、色々な思いや願いを持って、しっかり拝まれた方は多いと思います。

「みんな、この月を見ているんだろうな……」

素敵な事です。
培った私のオトナはそう思います。
夢見るコドモ時代の自分もそう思います。



と同時に

「だから見なくてもいいか」

と元来の捻くれ者が思います。
瞬間に天秤にかけて勝つ者です、つまり私です。


ちょっと、春に書いた桜の話にも通じるのかもしれません。
考えてみると、私はいつも多勢が目を向けるものには興味が失せ、
(皆がもう見てくれているんだから自分はいいかな、と)
陽の目にさらされていない(と自分が勝手に思った)ものに好奇心が向いていました。
マイナーという言葉が好きでした。

小・中学生の頃はあえて、そんなものを選んできたかもしれない。
そんな目を育てていたかもしれない。
オトナになるにつれて、それは視野を狭めている、小さな物差しだなと思うようになりましたが。
だから見える世界もあるのだと今でも思います。


長い前口上。


いつ、映画の話をするんだ、というツッコミが聴こえてきそうな(笑)

つまり、月見は早々に、団子もちょっと食べれば満腹に。
(という一文でも済む内容を上で述べておりました。表現って面白い。)


珍しい映画の話です。

先程、この1週間で2回目の『Life Of Pi -トラと漂流した227日-』を観ました。
(台風に備えて、数年ぶりにレンタルビデオ屋という名の誘惑の悪魔の巣窟へ)

最近、振り返りつつ、
私は今迄、この場所であまり映画の話をしていない事に気付きました。
理由は幾つか。

一つ、
感想などを書くと、ただでさえ長い文章が恐ろしい事になる。

一つ、
取り上げたい作品が多すぎて、最早映画ブログ化しないといけないような危惧を感じる。

等々、もっと色々あるのですが、つまり避けてきました。
それ位、映画が好きです。

本よりも映画から色々を教わった、と断言出来る位の摂取量の差。
ジャンルは偏っているとは思いますが、許容範囲は広いと思います。
(というか、知らずに冒険して広げられた。そんなものですね。)
それでもまだ大海の一部しか出会えていないとは思います。


音楽活動を始めてからは、観られる量が減ってしまいましたが、
久し振りに触れると、もう至福のひと時です。

例えばそれが、人の少ないレイトショーならなお、
上映開始のブザーが鳴り、
冒頭の【DOLBY Sound】なんかの音を聴くだけで既に、「やっぱり映画は良いな!」と思えるレベルです。
(Dolbyさん、実はご存命とは知りませんでした。ご冥福をお祈りいたします。)


とはいえ、映画にはまり出した高校生から学生身分、
特に日本は映画のチケットが高い。(とドイツに行って知った)
専ら、レンタルビデオ屋という名の悪魔の巣窟にお世話になっていました。

それから、最近はBS。
古典の有名作品から、現代のちょっとマイナーな映画まで、
自分でわざわざ手を出そうとまで思えず見逃してきたものに触れられる良い機会を貰っています。

とはいえ、観たいという気が起きなければスルーしてしまうので、何でも縁ですね。




いつ『Life Of Pi』の話をするんだ、というツッコミが聴こえてきました、すみません。

勘のよい方は、察してくださると思います。
こうやって書いている時点で、それだけ『Life Of Pi(以下:パイ)』が良かったんだな、と。

私の熱は伝わったでしょうか。
それでは、今日はこの辺にしようかと思います。


    ↓某レコーディング中の現場。ちょっと見辛いですが、猫とレコーディングしております。
    モニターチェック中の猫様。
    歌入れをしながら、マイクの前を通過されるという(後、マイク下でお眠りに)、刺激的な現場であります。

      IMG_20130917_181902.jpg


……という訳にはいかないか。

簡潔に申しますと、
何故、劇場で観る事に悩み、結果観ない事を選んだのか!
と自分を悔やみたくなる位の映像美と音の美しさでした。

監督のアン・リーさんの作品は、前作『ブロークバック・マウンテン』でノックアウトされ、
自分史上稀に見る、劇場に2度足を運ぶ事になった作品でした(1度目に隣に座っていたおば様のマナーの悪さが大きな要因ではある)。
この作品は同性愛を扱っているので、友人に薦める時には注釈を必要としましたが。

カナダの美しい山々や、作品の世界・時代にあったカントリーミュージック、
人の心理描写の繊細さ、
アメリカ映画とは思えない(偏見です(笑))細やかさでしたが、アジア人の監督と判り妙に納得してしまったり。

この映画のお陰で、私はRufus Wainwrightというミュージシャンに出会え、
確実に一時期の自分を支えてくれた作品です。

そして、5年振りの新作がこの『パイ』でした。
予告だけでは話のストーリーにもさほど惹かれるものはなく、
ただ、映像美だけが賛美されているのだとしたら、劇場まで行く事はないかなと思っていました。

その後、アカデミー賞の最多ノミネートを知り、少し揺れるもタイミングを逃し。
(それ以上にその頃は、自分の中でレミゼ祭り中(笑))

アン監督初の3D作品という事でしたが、
いや、本当に美しかった。
CG制作にとてつもない時間をかけたそうですが、ここまで技術は進んでいるのかと思い知らされました。

映画のメインは、海の上のボートでのシーン。
これで、時間がもつのか、というのが専らの危惧。

某タイタニックが沈没してからのあの心理的時間の長さ。
漂流ものは、精神的にも体力がないと、こちらが沈没してしまうので覚悟していました。

結果、週に2回も漂流の長旅に出てしまった訳ですが。


長い特典映像のスタッフ裏話にて、
アン監督の細部までリアルに拘る姿勢・思想はとても共感し尊敬出来るものでした。
それ以前に私はこの人が好きだと気付く。

監督にも色々な人がいると思いますが、
こんな人の下でなら、どんな仕事も尽力したい、と思わせる人柄が見え、
それ故の、膨大な仕事量に支えられた作品だと思います。


日本では上映後の反応はどうだったんでしょう。
宣伝していたけど、静かに消えていった作品、
になってしまうんじゃないか、と思ってこんなに長々と書いてみました(全く簡潔じゃないですね)。
それとも、私が知らないだけか。だったら良いと思います。


結末が重要なので、肝心の中身には触れませんでしたが、
俳優陣も素晴らしく(インドはやはり美人が多い!)
ファンタジーとドキュメントの狭間を観たような、
ジャンルにはまらない作品だと感じました。

海の描写は特に必見です。
嵐の中の波の迫力は、葛飾北斎も脱帽かと。(何故北斎と並べる)

逆に劇場で3Dで観ていたら、船酔いしていたかも……

そんなアトラクション要素も含め、
前半のパイの子ども時代の話も、コミカルで台詞も無駄が無く、楽しく観られました。

これだけ書いておきながら、
同時にレンタルした『ホルテンさんのはじめての冒険』というノルウェー映画も面白かったです。
『キッチンストーリー』の監督作品で、気軽に観られる北欧のシュールで静かに暖かいコメディでした。



さて、ここまで読みついできて下さっている方がどれだけいるのか。
(もしかして、ブログ史上最長文では)

忙中閑有。
今日はお休みなので、ここぞと夜更かし。
寝て下さい!と先日叱られてしまいました(苦笑)

そんな今日はマイナーではなく、世界的大メジャーのファンタジー映画の展覧会に行ってきます!


お付き合いVielen Dank! お疲れ様でした*

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コメント

一言では書けない感想(笑)

読み応えがありました。
あと、2度爆笑してしまいました。書いている最中に心の世界が先に進んで、またそれを書いたら心の世界が先に…。そんな印象を持ちました。

まずは、団子。
私は、かき氷やお汁粉に入っている白玉が子どもの頃から好きで、いつもそれだけ先に食べていました。このため、味なし団子の良さ、分かるような気がします。
ほんのりですが甘いですよね。お酒の広告じゃないけれど「何も足さない、何も引かない」という良さがあると思います。

と書いたものの、私はみたらし団子も好きであれは一緒に食べます(主張、受け取りました(笑))。どちらかというと、容器の残った餡を絡めて食べます。単にみたらしの餡が好きだったというだけかもしれません。

そして、月。
この頃にはタイトルが何だったか、忘れていました(苦笑)。私も仲秋の名月、見ました。写真も数枚撮りましたよ。仲秋の月と満月の話は知らなくて、台風が通り過ぎたから、月がきれいに見えるなあなんて思っていましたが、良い条件が重なったんですね。その意味では、8年後も雲がなくて、空が澄んでいることも条件に
入るかもしれません。

私も、花見や日食はあまり見ません。
努力して見ようとしないというのが正確な表現かもしれません。理由は一度見ているからで、単にお祭り気分で見たいと思わないのです。徒然草の第137段に「花は盛りに、月は隈なきをのみ、見るものかは」というのがありますが、花見であれば名所に行くのではなく、住宅街にぽつんとある桜に生命力を感じたり、今は千鳥ヶ淵の辺りは満開だろうなとか思いめぐらせているのが好きです。


さて、この頃にはブログのタイトルが全く違うものと錯覚すらしていましたが、文章を読んでいて思い出しました。あー、そうそう、映画の話だった、みたいな感じで(苦笑)。

そして、最初の爆笑タイムの到来。
「ただでさえ長い文章が恐ろしい事になる」
「恐ろしい」というイメージがなんとなく伝わってきました。故 淀川長治さんもびっくりの映画解説話になるのじゃないかと。

ドルビーさんのことは知りませんでした。私はカセットで、ドルビーBやCのお世話になりました。ドルビーBやCで録音して、普通に再生すると高音がよく聞こえるということがあり、たまにそうして聞いていましたが、音のバランスが崩れるので止めました。
また、ドルビーBで再生すると、オリジナルの音よりこもって聞こえる(ヒスノイズは減りますが)ので、最後は使わないことにしました。
結局、CDとMDが出て、ヒスノイズの問題は解消したのですが、今度はオリジナル録音の音の質が気になりだしたというのは、また別の話(笑)。

それでようやく映画の話かなと思ったら、省略…?
というわけではなく…でも、違う映画?
でもなく、『Life Of Pi』となり、めでたし、めでたし(笑)。

この映画は知り合いの誰かが見て、ベタ褒めしていたのを覚えています。観たい気持ち半分、今観なくてもいいかなという気持ち半分でした。
しかし、矢武さんがそこまで絶賛するなら観てみようかなという気持ちに少し傾いております(笑)。

『ホルテンさんのはじめての冒険』は郵便屋さんの話でしたっけ?
昔、BUNKAMURAのル・シネマ上映していて、チラシ(ポスターの縮小版)が素敵で持って帰った記憶があります。
が、まだ観ていません(苦笑)。

この映画館と岩波ホールは味わいのある映画が多いと思います。内面にじわじわと来るようなストーリーの。
『ラヴェンダーの咲く庭で』とか『八月の鯨』とか観ましたが、心に残る映画でした。

ほのぼのとした映画という意味では、ジャック・タチというフランスの監督の映画もおススメです。感動がじわじわ来る作品ではありませんが、コメディの中に教育家庭や文明化を皮肉ったところがあり、楽しい気持ちになります。
あと、偶然が生み出す視覚的な面白さや効果音もギャグのひとつになっていますので機会があればぜひご覧ください。あまり作品は多くありませんが「ぼくの伯父さん」が一番有名です。


ということで、読み応えがありました。
面白いというか、楽しいというか、矢武ワールドに溺れて、大ファンとしては嬉しい限りです。

あっ、そうそう。ふたつ目の爆笑ですが、これは最後に書いてあった「もしかして、ブログ史上最長文では」でした。
実は昨日ちょっと読みかけて、これは気合いを入れなければと今朝読みましたが、たぶん10分くらいは矢武さんの思考世界に浸っていたように思います。

今日は天気が良いので、素敵なカフェ巡りができるといいですね。

それでは、Einen schönen Tag!
 

  • 2013/09/21(土) 10:43:25 |
  • URL |
  • M #RShMWp3I
  • [編集]

Re:

お返事遅くなりました。

コメントも、最長記録更新しましたね(笑)
長い文章の箇所箇所に反応して頂き、ありがとうございます*
そして楽しんで頂けて何よりです。

とはいえ、更新したのち書きすぎたと少し反省しまして(笑)
逆に苦手とする【短く頻繁に更新】を試験運転しようかと思ったりしております。

映画解説話は本当に長くなると思います。
割愛の見極めが難しいので、結果中身に入れ込んだ話は、これまで出来ていないですし、ブログでは多分無理です。
でも今回ようやく入口を自分で開けてしまった訳ですから、
今後は一寸ずつ書きたいなと思ってます、簡潔に(笑)


『ホルテンさん……』は、電車の車掌ですね。
ル・シネマで上映されたものは、私も結構観ていると思いますが、全てレンタルです(笑)
『ラベンダーの咲く庭で』も文学のような綺麗な作品でしたね。
実は、ル・シネマには未だ行った事がなく、それが自分でも驚きです。
渋谷の映画館はかなり行ったと思っていたのですが。

『ぼくの伯父さん』拝見しております!
あのモダンな家が面白く、印象に残ってます。

フランス映画は味があって、私は好きです。(当社比、ハリウッドのアクション映画が好きな人は、フランス映画を観ると眠くなる。らしいです)

現在は判りませんが、フランスでは子どもは子どもとして育てられるのではなく、
【小さな大人】として扱われるので、
子ども向け、という文化が外国に比べて少ないそうです。

なので、絵本や児童文学の数も少なく、
そう呼ばれるものも、【子どもに向けて書いた】ものではないので、内容は難しく、皮肉も多い。
子どもの頃から大人と同じものに触れているので、
一昔前のフランス映画に出てくる子どもは特に大人びているのかなという印象があります。
そもそも、児童文学、というものの歴史は古くないのですが、ヨーロッパの国でも差が出ているのが面白いです。

コメントの脱線ついでに、この話で思い出したので、
1956年に公開されカンヌ受賞、2008年に再びカンヌに出品されたという稀な作品の
『白い馬』/『赤い風船』
Mさんはもしかしたらご覧になっているかもしれませんが、とても綺麗な作品なのでオススメ致します。


そんな風に映画話は脱線していくので困りますね(笑)
コメント、有難うございました*

  • 2013/09/25(水) 23:53:49 |
  • URL |
  • yatakekumi #-
  • [編集]

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